ねこさまQ&A(10)
ネコは縄張りを持つと聞きましたが、どのようなものですか?
自分の縄張りにどのように目印を付けるのですか?
オシッコの後爪とぎをすることがありますが何をしているのですか?
ネコの中にも野生ザルの社会のようにボスネコはいるのですか?
見知らぬネコ同士が外で出会ったらどうなりますか?
ネコの優劣関係はどのように決まるのですか?
ネコの集会の様子を教えてください。
見知らぬネコ同士のあいさつの仕方を教えてください。
ネコ同士のケンカどのようにして始まりますか?
さらにケンカの様子を教えてください。
ケンカの勝ち負けはどのように決まりますか?
A:野ネコの場合、単独生活をする猫がそれぞれ勝手な場所で狩りをしていると、獲物をとりやすい場所のとりあいで無益な争いごとが増えます。そこでそれぞれテリトリー(縄張り)を持ち、その範囲内で生活したり、狩りをしたりしています。イエネコも縄張りを持つ点は同じです。単一縄張りは、家とその庭程度の狭い範囲であるホーム・テリトリーで、他の猫に侵されることのない、くつろぎの場所です。ここを中心としたおよそ直径500m以内の範囲が、狩りをするハンティング・テリトーとなります。ここは、1匹の猫が独占しているのではなく、かなりの部分を他の猫と共有しています。猫の社交場である集会場は、この共有地内にあります。
猫はハンティング・テリトリーの範囲内で行動しますが、その周辺の� ��境もちゃんとチェックして、おおまかな地理を頭に入れています。
縄張りを持つ猫には重要な仕事があります。ハンティング・テリトリーにどんな猫が来ているのか、パトロールすることです。人間に食べ物を与えてもらえるイエネコは、狩りをする必要はありませんが、自分の縄張りを守りたいという本能を忘れることはありません。行動を束縛されていないかぎり、定期的に外に出て、縄張りを調べて歩くのです。
猫の頭には縄張りの地図ができているので、パトロールに出かけても、家に帰ってこられます。しかし、交通量の多い道路を何かの拍子で渡ってしまったとか、ケンカをして遠くまで逃げ、帰り道を他の猫の縄張りに阻まれてしまったなどの理由で、戻ってこれなくなる事態もあります。
A:日課の縄張りパトロールでおこなわれる重要な儀式がマーキングです。ハンティング・テリトリー内の要所要所にオシッコをかけて、自分の縄張りであることを示します。もっとも、縄張りマークをつけたからといって、侵入しようとした他の猫を退却させるほどの力はないようです。マーキングするのは、自分が立ち寄った印をつけて、縄張り範囲を示す標識がわりにしているのではないかと考えられます。また、時間の経過とともにオシッコの匂いが微妙に変化することから、立ち寄った時間を他の猫に知らせるのにも役立っているようです。匂いが消えかかると、よその猫は堂々と侵入してきます。
オスもメスもテリトリーを持ち、マーキングをしますが、もっともテリトリー意識が強く、マーキングを頻繁に� ��るのは去勢されていないオス猫。そんなにしょっちゅうオシッコしていたら、膀胱が空になってしまうのではないかと、心配になるほどです。膀胱にたまった尿の量が少ないときは、かける回数を少なくするのではなく、一回にかける量を減らして調整するので、オシッコかけの数自体は一定しています。それでも膀胱が空になることもあり、オシッコかけの格好はしているのに、尿が出ていないこともあるようです。
パトロール中に他の猫のマーキングを発見することもあります。こんなとき猫は、「どんなヤツのかな」とオシッコの匂いを鼻のヤコブソン器官に送りこんで情報収集をします。「あいつのか」とわかれば、その上に自分のオシッコをかけて、「ぼくも来たよ」と印を着けていきます。
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A:木の根元などに縄張りマークとしてオシッコをかけた猫は、次にその木をつかって爪とぎをすることがあります。爪の手入れのためではなく、爪とぎも自分の縄張りを示す重要なマークになるのです。爪をといだ後の傷跡が視覚的なマークになり、爪の周囲にある臭腺から分泌される匂い物質が、嗅覚的なマークになります。オシッコかけだけでなく、それに爪とぎを加えることで、「自分の縄張りだぞ」という看板の数を増やし、マーキングの効果をより強化させているわけです。
家の中でやたらとおこなう爪とぎも、もともとはマーキング行動から派生したものです。ただし家の中でやる場合は、マーキングをしている意味の他にストレス解消の効果もあります。行動を制限されたり、室内だけで暮らしていると� ��猫はマーキングなどの本能的な行動がままなりません。そのようなストレスを発散させるために、家具などをついガリガリひっかいてしまうのです。
爪をとぐとき、猫は木などの背の高いものを見つけ、背中をグッと伸ばして、できるだけ高い位置でとごうとします。高いところにマークをつければ、他の猫にもよく見えるうえ、自分が大きな猫だという錯覚を与えることができるのでしょう。体の大きな猫と体の小さな猫では、体力的にいっても、大きな猫がどうしても有利になりますから、高い場所に爪とぎの傷跡があれば、後からやってきた猫は、「こりゃ大きな猫だ。縄張り争いをしてもかなわないだろうな」とあきらめてしまうわけです。
A:単独生活の猫も、近隣に住む猫たちとの社会を持っています。社会があれば、そのなかでの均衡を保つために順位関係が生じます。ネコ社会にも、優位の猫と劣位の猫という順位関係はあります。といっても、その区域で権威をふるうボス猫と、その他の猫という単純な上下関係です。群れで生活を送る犬の場合、個々の犬同士で上下関係が細かく決まっていますが、猫の場合、ボス猫以外はみんな対等です。
犬の順位関係は絶対的なもので、一度決定すると常にその順位が保たれますが、猫の場合は時や状況に応じて、優位に立ったり、劣位になったりと、それぞれの関係が入れ替わることがあるという、とても流動的なものです。
ボスになるのは、ほとんどが去勢されていないオス猫です。ボス猫は他の猫� �ら尊敬されており、たまたま出会ったときには「仲間ですから、よろしく」という匂いつけのほおずりを受けます。ボス猫が去勢されていないオスにかぎられるといっても、ハーレムのように地域のメス猫を独占しているわけではなく、他のオスも自由に恋愛できます。
母猫の庇護を離れ、自主独立の生活を送ろうとする若いオスが、猫社会に加わるためには試練が必要です。おとなのオス猫に挑み、何度も何度もケンカをしなくてはならないのです。このケンカはおとなになるための試験のようなもので、やられてもやられても挑戦をし、縄張りにいすわり続けることにより、おとな猫から仲間として認められます。こうして自分の縄張りを持つ一人前のオス猫になると、今度は自分の縄張りで育った次の世代の若い猫のケンカを� ��ける立場になるのです。
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A:ハンティング・テリトリーが他の猫と重なりあっているので、お互いにパトロールをしているときなどに、共有地でばったり出会うこともあります。このときの猫の様子は、とても興味深いものです。最初はお互いに知らん顔をしつつ、相手の観察は怠りなく、たいへんな緊張状態のもとにすれ違います。
このようなよそよそしい態度からいっても、単独生活の猫は、なるべくなら他の猫と出会いたくないと思っているようです。オシッコかけのマーキングは、その猫が通った時間を知らせているのではないかとの説があります。これも、猫同士がなるべく出会わないためには、お互いのパトロール時間を知っておく必要があるとの考え方から生まれた説です。ちなみに、他の猫にはなるべく会いたくないという気持� ��は、オス同士、メス同士の同性に強くあらわれています。
会いたくないのに仕方なく出会ってしまった場合、お互いに目をあわせないのが礼儀です。猫にとって正面から目をあわせることは、ケンカを売っているのも同然です。目をあわせるのは、母猫やきょうだい猫、あるいは飼い主など、愛情を感じている間柄だけに限られます。そのため、見通しの悪いところなどで鉢合わせをし、うっかり目があってしまったときは、お互いに「やるかっ」とケンカ腰となり、実際、たいへんなケンカに発展してしまうこともあります。ただ同じ猫同士が、何度もケンカになるということは、ほとんどありません。一度ケンカをして優劣が決まると、次に会ったときには負けたネコがさっさと逃げるからです。
A:猫が出会ったときは、お互いに見つめないのが礼儀ですが、「おれは強い」と思っている猫は礼儀を無視し、鋭い視線で相手を見つめることがあります。眼をつけられたほうの猫は、姿勢を低くして、ともかく石のように動かないのが鉄則です。とっさに逃げたりすると、それが刺激になって優位の猫が追いかけてくるからです。相手の目を見ないようにして、じっと我慢していれば、やがて優位のネコは通り過ぎていきます。場所をめぐる争いなら、優位の猫が目をそらした隙を盗んで、劣位の猫はその場を去ります。この場合も、追われる危険を避けてゆっくり去るのが常道です。
猫はボス猫以外は基本的に対等なので、お互いの関係は固定されたものではありません。そのため、優位の猫が劣位の猫に必ずしも� ��や場所を譲ってもらえるとは限りません。その地点に先に来た猫のほうが、優先権を持つこともよくあるのです。たとえば、とてもよい日なたぼっこの場所があり、ふだんは優位に立っている猫が、そこでのんびり過ごそうと思って出かけたとき、もし先に陣取っている猫がいれば、あきらめて帰ることがあります。あるいは、劣位の猫が先にいたのに優位の猫が割り込もうとすると、劣位の猫が優先権を主張して威嚇することもあります。
行動の研究のために、狭い場所で多くの猫を飼育している場合などは、優位の猫と劣位の猫が時間帯によって好みの場所を分け合ったり、状況によってお互いの優劣が入れ替わることも見られるそうです。こういったことからも猫の優劣関係の複雑さがわかります。
なぜ私の猫が投げるん。
A:夜の公園、神社、駐車場、広い庭などに、多くの猫が集まり、静かに座っているのを見たことがないでしょうか?
昼間はお互いによそよそしく接する猫たちも、闇が訪れると共有地にある集会場に三々五々集まってきて、何をするのでもなく何時間もここで過ごします。不可思議なこの猫の集会は、繁殖期以外の季節に行われ、繁殖期が近づくにつれて時間が長くなります。普通は夜中になればそれぞれわが家に帰っていきますが、繁殖期が近づくと一晩中集会が続くこともあります。繁殖期には集会の場所で交尾活動を行います。
夜の集会にやってきた猫たちは、お互いにある程度の距離を置き、丸くなって座っています。集会は実に静かに進行します。ときに他の猫に近寄られすぎて不安を感じた弱い猫が� �低いうなり声で威嚇したり耳を倒したりするようなこぜりあいはありますが、ケンカに発展することはまずありません。このようなとき以外、猫たちはみなおだやかな顔をしています。なかにはお互いに体をなめたり毛づくろいしあったりして、友好的な態度で集会にのぞんでいる猫もいるのです。
猫の集会は地域内のメンバーを確認するためだろうといわれています。いつもは限りある獲物をねらうライバル同士、仲良くしているわけにはいきません。しかし外部からの侵入者を防ぎ、地域の安定を図るためには、テリトリーを共有する仲間同士の連携を強化しておく必要があります。それぞれが普段は他人の顔、集会のときは仲間の顔という二つの顔を持つことで、猫の地域社会が安泰に保たれていると考えられます。
A:見知らぬ猫同士が出会ったとき、まずは鼻の嗅ぎあいをしてあいさつします。「どんなヤツだろう」と好奇心いっぱいですが、何しろ未知の猫なので、お互いとても緊張しています。あまり体が接近しすぎないよう、できるだけ長く首を伸ばして鼻を近づけます。口周辺の匂いをかいで、「フムフム、このような匂いのヤツだな」と一応納得すると、次にはお互いの首からわき腹へと移動して、体の匂いを嗅ぎあいます。
最後はお互いの鼻が、お尻に向かいます。肛門の左右にある肛門腺から分泌される匂いは、特に念入りに調べたいところ。でもお互いに相手の匂いは嗅ぎたいけれど自分の匂いは嗅がれたくないので、相手の鼻がお尻に近づくのを避けて、様子を見ながらグルグルまわります。その間に優劣が決ま� ��、劣位の猫が肛門を嗅がせて、あいさつは終わります。
猫同士の出会いがいつもこのような友好的な形で進むとはかぎりません。相手を探ろうとして緊張した状態なので、ちょっとした行動が引き金になり、友好的なあいさつ行動がケンカに発展することがよくあります。たとえば、匂いを嗅ぎたい気持ちが強く、相手より先に近づこうと一歩足を踏み出すと、その一歩が相手に脅威を与えてしまいます。恐れを感じた相手は防御体勢をとらざるをえず、低いうなり声をあげて、猫パンチを加えることもあります。劣位の猫は隙を見て逃げるので、すぐに大ゲンカになることは少ないのですが、気の強いオス同士では、そのまま本格的なケンカへと発展することもあります。
A:猫同士が会ったときはお互いに知らぬ顔をして、できるだけ接触するのを避けているのですが、何かの拍子に目があってしまったときは、とっさにケンカ態勢に入ります。この場合もまずは、なるべくならケンカを避けようとします。負ければもちろん、勝っても傷を負う可能性が強いので、できれば無益なケンカはしたくないのです。そこでひとまず、「おれは強いぞ。逃げたほうがいいぞ」と相手を威嚇します。毛を逆立てるなどで自分の体を大きく見せ、相手に脅威を感じさせるのです。
威嚇に反応して弱気になり、「こりゃダメだ」と相手が逃げてくれればいいのですが、お互いの力が拮抗していたり両者ともやる気満々だと、威嚇の状態のまま、しばらく睨み合いが続きます。やがてお互いがジリジリとに� ��りより、いよいよケンカの始まりです。
本音はケンカを避けたい猫たちが、仕方なく戦わざるをえなくなるケースのひとつは、出会い頭に目があってしまい、引くに引けなくなった場合です。出会いのタイミングが悪いと、血を見ることになるのです。またオス同士は、縄張りに進入しようとするものがいれば、それを阻止しようとして積極的に攻撃します。もちろん発情期ともなれば、メス猫をめぐってオス同士、壮絶な戦いがくりひろげられます。
一方、メス猫はケンカしないかというと、そのようなことはありません。特に子育て中は、わが子を守ろうとの本能から、少しでも巣に侵入しようとするものがいれば、どれほど強そうな相手であろうとも、捨て身の覚悟で戦いを挑みます。
A:出会い頭のにらみあいなどで、威嚇しても相手が逃げない場合は、いよいよ戦いのゴングが鳴ります。目標は相手の首に正確に噛みつくことです。睨み合っていた双方がにじり寄ると、まずどちらかの猫が素早く相手の首に噛みつこうと跳びかかります(ネコパンチ)。攻撃されたほうの猫は仰向けに倒れ、噛もうとする相手の口を自分の口で防ぎながら、前足で相手の体をとらえ、後ろ足で相手をキックします。相手も同じような体勢にならざるをえないので、組んずほぐれつ地面をころげまわります。
激しい縄張り争いなどの場合、猫は侵入者に対して威嚇することなくいきなり突進し、前足で相手の首筋めがけてパンチを与えます。実力のある相手なら、すぐさまパンチを打ち返します。そしてお互いに後ろ足で� �った状態で、激しいパンチの応酬がくりひろげられるのです。
取っ組み合いやパンチ合戦が続くうちに、どちらかが後方に下がると、ひとまず第1ラウンドが終了となります。両者分け合い、一定の距離を置いて座ります。このとき猫は、ケンカなど忘れたかのように、自分の体をしきりになめて、毛づくろいすることがあります。ケンカの最中なのになんとのんびりしたことか、と呆れるのは早まった考えです。猫にとってケンカは、これ以上ないという緊張場面なので、最高潮に達した緊張感に耐えきれず、一時休戦の間になんとか自分を落ち着かせようとし、毛づくろいという行為に走るのです。そしてどうにか心が落ち着くと、やがて思いだしたように第2ラウンドに突入します。このようにして一時休戦をまじえながら、� ��ちらかが負けを認めるまで、戦いは何ラウンドとなく繰り返されます。
A:猫のケンカにレフェリーはいないので、セルフジャッジで勝ち負けが決まります。「これは自分の負けだ」と感じた猫は、一時休戦ののち、相手がふたたび攻撃してきても、受けて立ちません。耳をぴったり後ろにつけた防御姿勢をして、その場にうずくまってじっとしています。これが負けの合図なのです。
相手が負けを認めたら、勝者はそれ以上攻撃しません。それが猫同士の暗黙のルールです。勝者猫は、勝ち誇ってゆっくりとその場を去ります。とはいえ、いつ反撃があっても受けて立てるよう、毛は逆立てたままです。負けた猫は、勝者が十分に自分から離れたら、そっとその場を退きます。勝者猫は、完全にその場を離れるのではなく、やがてまた戻ってきますが、敗者猫はそのまま戻りません。
� �ンカがおわると、お互いの体は傷だらけになります。百戦錬磨のボス猫など、体のあちこちに闘争の痕がくっきりと残っていることもあります。それでも、ケンカが原因で致命傷となる怪我を負うことはめったにありません。攻撃目標は大動脈のある首筋を噛むことですが、奇襲攻撃でいきなり噛みつく以外、実際にそれが成功することはないからです。怪我をするのはたいてい、耳を含めた顔や頭部、腕などで、このような部位なら、たとえ深手を負っても、直接命にかかわることはありません。激しい闘争でも、危ないと思えば負けを認め、勝者はそれ以上の攻撃はしません。猫のケンカはこのルールにのっとり、限度をわきまえて行われるのが普通です。
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